高音を出すことに関して悩みをもっており、自分で高音を出す方法を検索したことがある人は「ミックスボイス」という魔法のような言葉を聞いたことがあるかと思います。
今回はそのミックスボイスの正体と、一瞬でミックスボイスを出せるようになる練習方法(※)を紹介します。
一瞬でミックスボイスを習得できるようになる人もいますが、そうでない人も多いです。
出来たらラッキーくらいの気持ちで挑んでみて下さい。
しかし、遅い人でも半年くらい毎日練習すれば、ミックスボイスを習得できると思います。
この方法でミックスボイスを習得できなくても別の方法もありますので、出来なくても落ち込む必要は一切ありません。
正直、有料にしてもいいレベルの情報なのですが、当分は無料で公開させていただきます。
ミックスボイス
「ミックスボイス」とは、
「地声と裏声の中間の声、楽に高音が出せる声、低音から高音まで滑らかにつながる声」
と定義させてください。
私もそうですが、色んな人にミックスボイスをどんな風にとらえていたかを聞いてみると、魔法のように何でもできる声だと最初は思っていたそうです。
確かにミックスボイスを使えれば声の自由度は格段に上がりますが、何でも出来るようになるわけではありません。
さて、ミックスボイスとは声帯がどのような状態になっているかということを簡単に解説させていただきます。
以下の図は声帯の状態を表している模式図です。
左から順に、地声、ミックスボイス、裏声という順番になってます。
地声、裏声にもたくさんの定義がありますが、ここでは、
地声:芯のある声
裏声:息もれの多い声
として書かせていただきます。
地声は2枚の声帯がびっしりとくっついていますが、ミックスボイスや裏声になると声帯が引っ付いていない箇所もある状態となっています。
ミックスボイスが地声と裏声の中間のような声というのは、声帯が中間の状態になっているためです。
ミックスボイスが出来ない人というのは、地声の状態で音階が上がっていくと、急激に裏声(息もれの多い声)になってしまう人が多いです。
なぜ急激に地声から裏声になるかというと、息の量を上手にコントロール出来ていないからです。
声帯は地声ではしっかり閉じている必要がありますが、声帯が開いてくる(ミックスの状態にする)と息の量も少なくする必要があります。地声のままの間隔で息を吹いてしまうと、声帯を閉じることが出来ずに急激に開いてしまって裏声の状態になってしまいます。
そのため、ミックスにするには息の量をあなたが思っている以上に、とても少なくすることが必須の条件になります。
ミックスボイスの練習方法
では、一瞬でミックスボイスを出せるようになる人もいる練習方法を伝授させていただきます。
地声から裏声になる原因は、「空気量が上手く制御できていないため」と上述しました。
そのため、空気量を減らす方法として以下の方法を紹介します。
(1) 口から「フー」と息を吹いて息を99%抜く
(2) 口は閉じて鼻から「ん」と音を出す
(3) (1)を自分がかろうじて聞き取れるくらいの音量(※1)にする
(4) (3)の状態で低音から高音(hiA)くらいまで綺麗に繋げようとする(※2)
※1:(2)は自分の声だけ聞こえる空間に行く、または、耳をふさいで練習して下さい。
※2:高音になるにつれて空気量を少しづつ減らしていくのがポイントです。また、首に力を入れないように気を付けて下さい。
(4)のように低音から高音までつながっていれば、それはミックスボイスが出来ていると考えて大丈夫です。
低音から高音まで繋がっている音声はこちら
「こんなことしなくても、意図的に空気量減らせるよ!」という人もいるかもしれません。ある程度までは減らすことが出来ますが、それだけでは高音を出せる空気量にはなりません。
その理由は、脳が空気量を無意識のうちに制御しているからです。
そのため、本人がどれだけ吐く空気量を減らそうと意識していても、減らすことは出来ないのです。
繰り返し練習していくことで、脳がその状態(空気が少なくても音が出る状態)に慣れて、空気を減らすことが出来るのです。
この練習を繰り返しやれば、ミックスボイスの初歩的な声(低音から高音まで滑らかにつながる声)を出すことが出来るようになります。
もちろん、人によっては声の出し方にクセがある(舌や顎に力を入れやすいなど)ので、この方法で誰もがミックスボイスを出せるようになるわけではありません。
しかし、この練習をすることで
また、練習すると言っても、
「さあ、練習するぞ!」
と思って気合を入れて練習しなければいけないわけではなく、好きな時間に少しずつ練習するというだけでも効果は必ず出てきます。
毎日継続していると徐々に効果が表れてくるので、根気強く続けてみて下さい。
・練習で一番大切なのは、毎日続けること