基礎練習「①声帯」と今回の「②喉頭」を練習するだけでも、ミックスボイスを出せるようになる割合がぐっと上がります。
正式なデータを確認したことはないですが、感触的にはだいたい3割くらいになるのではないでしょうか。
「一瞬でミックスボイスを習得できる方法」で紹介させていただいた方法でミックスボイスを習得できる人はこれまでの経験より1割程度ですが、①声帯と②喉頭をマスターすれば3割になります。(①と②をどう使うかは、また別の記事で紹介させてください。)
99%出せるようになる方法を先に教えてくれと言われそうですが、99%出せるようにするためには最低1年はかかります。
その理由は、「ボイトレで上達しない原因とは」で紹介させていただいた主要なパーツ((1) 喉周辺、(2) 口周辺)だけでなく、他にもある全てのパーツをマスターする必要があるからです。
最短でミックスボイスを出せるように、なるべく少ない練習で習得できる方法を順次公開させていただきます。
(一番いいのは、私が生徒さんの声を聴いてオリジナルプランを用意するのがいいのですが、現在準備中ですので、準備が完了次第この記事も更新させていただきます。)
では、今回も「役割の説明」と「練習方法」に分けて説明させていただきます。
「役割の説明」はさらっと流し読み程度でも問題ないですが、「練習方法」に関しては何回も読み直して練習してみて下さい!
(1)喉頭の役割の説明
喉頭と言われてどこに位置しているかご存知でしょうか?
喉頭は以下の図の(C)の位置にあります。
上図だけ見ても何となくしか分からないと思うので、簡単に確認できる方法があります。
以下のように首の前方付近に手を当てて頂いて、つばを飲み込んでみて下さい。
何か動きませんでしたか?
はい、今動いたものが喉頭です。
では、今度は喉頭を下げてみます。
先ほどと同じように首の前方付近に手を当てて、「あくび」をしてみて下さい。
思いっきり大きな「あくび」をすることで、その分大きく喉頭が下がります。
どうでしたでしょうか?
個人差はあれど、喉頭は下がったと思います。
喉頭を上げると喉の中の空間が狭くなり、
喉頭を下げると喉の中の空間が広くなります。
あくびをしながら声を出すと、少し野太い声になりませんか?
是非試してみて下さい。
逆に、喉頭を上げると高い声が出やすくなります。(※)
この喉頭を上げ下げすることで、音の音色を変えたり、高音を出しやすくしたりすることが出来ます。
(2)喉頭の練習方法(超基礎)
喉頭を上げ下げする練習として、
声を出しながら、以下の3種類の状態を自由にできるようにします。
(1) 喉頭が下がった状態
(2) 喉頭が上がった状態
(3) (1)と(2)の中間の状態
練習方法を感覚派と理論派(※)に分けて説明します。
感覚派と理論派とは何かご存じない方は、以下の記事をご確認いただければ今後の理解も深まるかと思います。
ざっくり説明すると、感覚派とはすぐに出来るようになる可能性はあるが、感覚論なので動作を真似しにくいです。
一方、理論派は、習得まで時間がかかるかもしれないが、理論的であり理解しやすいので動作を真似しやすいという特徴があります。
とても大切な考え方ですので、以下の記事を確認していただければと思います。
喉頭を【感覚的】にボイトレする方法
まずは、すぐに出来るかもしれない感覚派の説明です。
自分の身長より50cm低い小人になった気分で、「いうえおあ」と声に出してみて下さい。
こんな感じの声です。(喉頭が上がった状態)
逆に、自分の身長よりも50cm高い巨人になった気分で、「いうえおあ」と声に出してみて下さい。
こんな感じの声です。(喉頭が下がった状態)
出せましたでしょうか?
出せた人は、【練習】の項に進んでください。
出せなかった人/出せてるか不安な人は、以下の【理論派】の説明をご確認ください。
喉頭を【理論的】にボイトレする方法
上記の方法で出来ない場合は、まずは喉頭を下げる方法から練習します。
その理由は、喉頭を下げると必ず元の位置に上がるので、下げる練習をすることで、上げることも少し簡単になるためです。
・喉頭を下げながら音を出す方法:
喉頭が下げるには、「あくび」をすることで可能です。そのため、口を閉じたまま「あくび」をしてみて下さい。
声は出してもいいですが、口は開けてはダメです。鼻から音を出すようにしてください。
口を閉じたままできましたでしょうか?
その後に、喉頭を下げたまま
「ん」
と口は閉じた状態で鼻から出してみて下さい。
これが出来たら、「いうえおあ」と喉頭を下げたまま出してみて下さい。
感覚派の方法から、「あくび」という追加のアクションがありますが、慣れることで「あくび」が無くても、意図的に喉頭を下に動かせるようになります。
意図的に動かせるようになるまで、「あくび」という補助輪を使って練習してみて下さい。
・喉頭を上げながら音を出す方法:
喉頭を上げるには、唾を飲み込むと上がると上述しました。唾を飲み込んだ時に、首元に少し力が働きます。
その力を感じ取れるように、首元に集中してください。
感じ取れたら、その力を使って喉頭が上がらないかを首を触り、
「ん」
と口を閉じて鼻から出してみて下さい。
私もそうでしたが、高音が苦手な人は喉頭が上がりにくい状態を話し声で使っていない人が多いです。
そのため、少しでも喉頭が上がれば成功と考えてよいです。
この練習を繰り返すことで、現在の可動域がどんどんと広がっていきます。
ストレッチのようなものと考えて頂いて大丈夫です。
喉頭のボイトレ練習
以下の(1)、(2)、(3)の状態で、「ん」と単発で出してください。
(1) 喉頭が下がった状態
(2) 喉頭が上がった状態
(3) (1)と(2)の中間の状態
これが出来たら、同じ高さの音で、(1)➡(2)➡(3)のように繋げて自由に行き来してみて下さい。
同じ高さの音になっているか不安な人は、以下の記事で紹介させていただいたアプリをダウンロードしてみて下さい。無料~100円のものを紹介してます。
喉頭は比較的簡単にマスター出来るボイトレ方法ですが、時間がかかる方もいらっしゃいますので、出来なくても焦らずに練習を続けてみて下さい。
喉頭が自在に操れるようになったら、「仮声帯」の練習をしてみましょう。