【これが出来なければ何やっても無駄】ボイトレの基礎練習「声帯」

以下の記事で、声を出すには色々な体の部位が関係していることを説明させていただきました。

今回は、そのパーツの中でも、最も基本的で最重要の部分である

「声帯」

の①役割と②練習方法を紹介させていただきます。

聞いたことない単語が出てきたら、誰でも困惑しますので、こんな仕組みになっているんだくらいで大丈夫です!

「①声帯の役割」を理解できない場合は、サーっと流し読みでも大丈夫ですが、「②声帯の練習方法」だけは理解して自分で練習が出来るようになって下さい。

声帯の役割

声を出している女性

喉の中に声を出す元となっている声帯という箇所があるのですが、どんな構造をしているかご存知でしょうか?

声帯は、以下の図の(A)の箇所で、両側に2枚あります。

大きさは2mm程度と考えて下さい。

吸気発声時の声帯振動の様子

声を出しているときは、この小さな2枚の声帯同士がぶつかり合うことで音が出ています。

では、みなさんに質問です。

嵐「Love so sweet」、米津玄師「Lemon」、back number「クリスマスソング」などの最高音(hiA(鍵盤でいうとラ))

は声帯が1秒間に何回ぶつかり合って鳴っている音でしょうか?

 

正解を見る前に少し考えてみて下さいね。

喉に関して少し考えるクセをつけることで、各パーツの理解が深まりやすくなります。

正解は、

 

「440回」

 

と一般に言われています。

この2mmの小さなものが、1秒間に440回もぶつかり合っているんです。

では、他の音はどうかというと、声帯が何回振動するかで決まってきます。

高音を出せるようになるためには、声帯を高速でぶつかり合わせることが必要です。

単純に考えると息を勢いよく吹けば、高音が出そうな気がしますが、そこには大きな落とし穴があるんです。

もちろん、息を勢いよく吹くことで高音を出せることもありますが、その際には声帯を無理やり閉じるためにかなり首に力がかかっている”喉締め”という現象が起こっています。

高音が苦しいというのは、喉締めで苦しいというだけでなく、その状態で歌い続けると声が枯れてきます。

声帯に必要以上の負荷がかかっているためであり、最悪声帯ポリープにも繋がってきます。

高音を出す際は、息をたくさん吹くのではなく、少しの量を吹くことが重要です。

女性は高音を簡単に出せます。なぜ簡単に出せるかというと、歌う際に使う息の量がとても少ないことが多いからです。女性が歌っている際に、息をどれくらい吐いているか確認してみて下さい。とてもかすかな量ではありませんか?
良く分からんという人もいるかと思いますが、私も最近まで良く分かりませんでしたので、分からなくてもそこまで気にする必要はありません笑

 

では、勢いよく息を吹かずに高音を鳴らすには何をすればいいのでしょうか?

それは、

「声帯を振動しやすい状態(Point A)」にして、その声帯の状態に「適切な勢いの息(Point B)」をぶつけてやる

というのが必要になります。

今、少し難しいですが大切なPointを2つ言いました。

「声帯を振動しやすい状態(Point A)」とは、

ある音に対して、声帯の締め具合を最適になるように調整するということです。

「適切な勢いの息(Point B)」とは、

ある音に対して、息が多すぎず少なすぎずなるように調整するということです。

今回、声帯の練習として、
 Point A(声帯を振動しやすい状態)
 Point B(適切な勢いの息)
に絞って、練習方法を紹介していきます

・声は声帯がぶつかり合うことで音になる。
・声帯を必要以上に閉める”喉締め”は、声枯れに繋がる。
・高音を楽に出すには、声帯を振動しやすい状態にして、その声帯の状態に適切な勢いの息をぶつける。

声帯の練習方法(超基礎)

ボイトレの練習風景

Point A(声帯を振動しやすい状態)
Point B(適切な勢いの息)
を同時に練習できる方法を紹介させていただきます。

それは、以下の3種類の声を出しわけることです。

 (1) バリバリとした声
 (2) 息もれの多い声
 (3) (1)と(2)の中間の声

これは何をしているかというと、
 (1)は地声のように声帯がしっかり閉じている状態
 (2)はミックスのように声帯が少し開いている状態
 (3)は裏声のように声帯が空いている状態
を模擬しています。

ミックスボイスの解説

これが出来るようになることで、ミックスボイス(※)の基礎をマスターすることが出来ます。

(※)ミックスボイス:地声と裏声の中間の音といわれ、高音を楽に出せる声として知られています。詳細な説明や簡単に出すための方法は、後日追加させて下さい。

まずは、自分が喉に力を入れずに出せる高さの音で試してみて下さい。

次に音程をどんどん上げていき、喉に力を入れずに出せる高さまで上げていってください。

ここの高さが高いほどいいというわけではないので、あまり高い音まで上げれなかったとしても、全く気にする必要はありません。

単音で出せるようになったら、次は(1)➡(2)➡(3)のように繋げて自由に行き来出来るようにしてみて下さい。

以下の3種類の声を出し分けることが出来るようにしよう。
(1) バリバリとした声
(2) 息もれの多い声
(3) (1)と(2)の中間の声