第1章 R&Bフェイクの正体と「入れ方」の全体像(最初に知っておく地図)
1-1 フェイクの基礎:呼び名と定義をそろえる
R&B/ゴスペルでは、メリスマ(1音節を複数音で装飾)、ラン(俊敏な音階走句)、リフ(短い反復的装飾)などが用語として並びます。研究ではこれらを譜面に起こして分類し、装飾の種類・リズム・音形を共通言語化する枠組みが提示されています。ボイトレの現場でも、この“見える化”に沿って型を覚えると、耳頼みの属人的練習から一歩抜け出せます。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
1-2 テクニックだけでなく“文脈”を学ぶ:黒人音楽の系譜と深いリスニング
R&Bのフェイクは、黒人教会やゴスペルに根ざした表現文化の延長にあります。メリスマは「対話的・創造的な表現」であり、深いリスニング(パターン認識と予測の訓練)を通じて共有される喜びでもある、とする研究知見があります。テクだけを切り離さず、何を伝えたいのかという感情・物語と結びつけて学ぶ姿勢が、上達と説得力の両方を引き上げます。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
1-3 どこで入れる?――“入れどころ”は楽曲構造で決める
21世紀ポップ/R&Bの分析では、フェイクは曲構造の節目(サビ前後、ブリッジ後、アウトロなど)に意図的に配置され、聴かせどころ(フォーカルポイント)を作る機能を担います。まずは歌う曲をマッピングし、盛り上げたい地点に短い装飾を配置→クライマックスほど長く華やかに、という配分設計を薦めます。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
1-4 初心者が先に覚える「フェイクの型」ベスト3
- ターン系(隣接音装飾):元音の前後を小さく飾る。語尾や休符前の“ひと言”に合う。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
- スケール・ラン(3〜5音):ペンタトニック中心の短い上行/下行。サビ着地やブリッジ明けに効果的。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
- コール&レスポンス・フィル:本線の直後に母音や掛け声で合いの手。ライブの一体感づくりに強い。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
これらはゴスペルの即興研究で示された“型”にも合致し、再現性高く学べます。最初は模倣→少し崩す→自分の言葉へ、の順で。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
1-5 “どう入れるか”の原則:リズム・音程・言葉・文脈の4点セット
- リズム:拍内の前ノリ/後ノリやシンコペーションで“乗り”を作る。一定のクリックに対して意図的にズラす練習を。:contentReference[oaicite:8]{index=8}
- 音程:元コードのトーンを核に、隣接音→スケール音に展開。型の分類を参照して安全に外さないラインを選ぶ。:contentReference[oaicite:9]{index=9}
- 言葉:歌詞を壊さない配置(母音中心、子音は早置き)。合いの手は“語り”の延長として。:contentReference[oaicite:10]{index=10}
- 文脈:楽曲の物語と文化的背景を踏まえる。感情ピーク/礼拝的高揚へ向けた段階的ビルドが効果的。:contentReference[oaicite:11]{index=11}
1-6 “耳と可視化”で加速する:録音+簡易表示(○/×)でも十分効く
プロのフレーズを深聴して丸暗記→録音して聴き返し→画面でピッチの頂点と長さを確認、というサイクルが最短です。研究では、正誤の簡易表示でも学習効果が得られること、またポピュラー歌唱ではフェイクがフレーズ終端に集中しやすい傾向も報告されています。練習は短い2〜4小節に切り出し、ON(把握)→OFF(再現)で再現性までチェックしましょう。:contentReference[oaicite:12]{index=12}
1-7 安全に“速さ”を出す:ウォームアップと発声ケア
高速メリスマやシャウトを絡めるR&B/ゴスペルでは、準備とケアが上達と喉の健康に直結します。リップトリル等のSOVTEで声帯周辺の緊張を下げ、ミックスの準備をしてからスケール→短いランの順に負荷を上げる。練習後はクールダウンを忘れずに。体系的なゴスペル・ペダゴジーは、この“科学的な準備とケア”を強く推奨しています。:contentReference[oaicite:13]{index=13}
1-8 最短で身につく練習フロー(5分スターター)
- 1分:リップトリル/タングトリル(一定息・一定リズム)。:contentReference[oaicite:14]{index=14}
- 2分:型の反復(ターン→3音ラン→5音ラン)。均等な長さ・強さで。:contentReference[oaicite:15]{index=15}
- 2分:2〜4小節に差し込みテスト→録音→簡易表示でOK/NG判定→NGだけ再トライ。:contentReference[oaicite:16]{index=16}
1-9 「入れ方」チェックリスト(毎回ここだけ確認)
- 入れどころは曲構造の節目か?(サビ前後/ブリッジ後/アウトロ):contentReference[oaicite:17]{index=17}
- 型はターン/3〜5音ラン/合いの手など再現しやすいものから?:contentReference[oaicite:18]{index=18}
- リズム・音程・言葉・文脈の4点セットを満たしているか?:contentReference[oaicite:19]{index=19}
- 録音+簡易表示でON→OFFの再現性を確認したか?:contentReference[oaicite:20]{index=20}
- 速さを求める前に発声の準備とケアを行ったか?
第2章 1〜2週間で使えるようにする:模倣→変奏→即興(ジャンル定番パターン付き)
2-1 学びの骨格:模倣→理論→変奏→即興(M-L-V-Iフロー)
R&Bのフェイクは「まず良いお手本を真似る→その音が“なぜハマるか”を理論で理解→少し崩す→文脈に合わせて即興する」という順序が、最短で安全に身につきます。模倣に偏らず、スケールやコードトーンまで押さえると応用力が跳ね上がります。練習は録音→自己評価までが1セットです。:contentReference[oaicite:0]{index=0} :contentReference[oaicite:1]{index=1}
さらに、分類(taxonomy)や譜例を「視覚化された型」として扱うと、模倣→創作の橋渡しがしやすくなります。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
2-2 定番パターン(型パレット)を5つだけ覚える
- ターン(隣接音装飾):元音を中心に上下の隣接音で小さく飾る(語尾・休符前に最適)。譜例化して反復。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
- 3音ペンタ・ラン:メジャー/マイナー・ペンタの3音(例:1–2–3/3–2–1)で上行/下行。サビ着地に短く。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
- 5音スケール・ラン:5音の連なりで“勢い”を付与。終端はビブラートで着地(R&B歌手に多い配置)。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
- コール&レスポンス・フィル:主旋律の直後に“合いの手”を短く入れて応答感を作る。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
- ビルドアップ・クライマックス:エンディングへ向けて音域を段階上昇→クライマックスを作る。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
これらはゴスペル/現代R&Bの分析で再現性のある構造として整理されているため、まずは「型」として身につけます。:contentReference[oaicite:8]{index=8}
2-3 リズムの肝:前ノリ/後ノリとシンコペーションを意図的に
フェイクはリズムで“表情”が決まります。4拍子グルーヴに対し、意図的に前ノリ/後ノリやシンコペーションを織り交ぜるのがゴスペル直系のコード(約束)。クリックに対して「少し前/少し後」の両方を練習し、置き方を選べる耳と体を作りましょう。:contentReference[oaicite:9]{index=9}
2-4 1週間プロトコル(毎日10〜12分)
- Day1:お手本1フレーズを選び、2〜4小節だけ模倣→録音→OK/NGをメモ。可視化は正誤表示で十分。:contentReference[oaicite:10]{index=10} :contentReference[oaicite:11]{index=11}
- Day2:同フレーズをコードトーン/スケールに紐づけて分析(どの度数が核か)。1音だけ置換して歌う。:contentReference[oaicite:12]{index=12}
- Day3:リズム変奏(同じ音形で前ノリ/後ノリに置き換え)。クリックに対する位置の差を録音比較。:contentReference[oaicite:13]{index=13}
- Day4:型パレットから3音ランを追加→原曲サビ直前に短く挿入。配置は“終端集中”が狙い目。:contentReference[oaicite:14]{index=14}
- Day5:コール&レスポンス・フィルを1回だけ(やり過ぎない)。観客/相手への返しを意識。:contentReference[oaicite:15]{index=15}
- Day6:エンディングへ向けた段階上昇ミニ・ビルド(2ステップだけ)。録音で勢いと収まりを確認。:contentReference[oaicite:16]{index=16}
- Day7:全素材をON→OFFで再現性チェック→NGだけ再トライ。段階設定は「一度に1要素まで」。:contentReference[oaicite:17]{index=17} :contentReference[oaicite:18]{index=18}
2-5 “差し込みテンプレ”:2〜4小節で作って→曲に戻す
- サビ前後/ブリッジ後など節目の2〜4小節をループ。:contentReference[oaicite:19]{index=19}
- 型パレット(ターン/3音/5音/フィル/ビルド)から1つ選び、1箇所だけ試す。:contentReference[oaicite:20]{index=20}
- 録音+可視化(○/×)でOKなら、原曲全体に差し戻し。:contentReference[oaicite:21]{index=21}
2-6 ミニ楽理:外さないライン=コードトーン核+スケール展開
「なぜその音がハマるか」はコードトーンが核だから。1(ルート)・3・5に着地→途中はスケールや隣接音で装飾、という原則を型とセットで覚えると、曲が変わっても応用できます。ピアノで弾き、ハーモニーとの整合を耳と目で確認するのが近道です。:contentReference[oaicite:22]{index=22}
2-7 ウォームアップとケア:速さの前に“整える”
フェイクは俊敏さが要る分、準備不足だと喉が固まりがち。ロングトーン・ブレス・リップロール等の基礎で安定させてから負荷を上げると、安全にスピードが出せます。:contentReference[oaicite:23]{index=23} :contentReference[oaicite:24]{index=24}
2-8 “耳と目”で加速する:録音+可視化ON/OFF
短時間でも、録音と簡易表示(正誤)を併用すると修正速度が上がります。ONで把握→OFFで再現の二段構成を、毎日の締めに固定しましょう。:contentReference[oaicite:25]{index=25} :contentReference[oaicite:26]{index=26}
2-9 テキスト図:1〜2週間の「型→文脈」ロードマップ
[Week1] 模倣(2〜4小節) → 理論(度数/コード) → 1音置換 → 前/後ノリ比較 → 録音ON/OFF[Week2] 型パレットから1つ → 節目に短く差し込み → 位置と長さの最適化 → 仕上げ録音※ 一度に増やす難要素は1つまで(テンポ/高音/長さの同時盛りはNG)
2-10 ここまでの要点(実践メモ)
- 最短は「模倣→理論→変奏→即興」。録音で自己評価を回す。:contentReference[oaicite:27]{index=27}
- 型パレット(ターン/3音/5音/フィル/ビルド)を1つずつ現場投入。:contentReference[oaicite:28]{index=28} :contentReference[oaicite:29]{index=29}
- リズムは前ノリ/後ノリの置き分けが肝。シンコペーションも意図的に。:contentReference[oaicite:30]{index=30}
- 配置はサビ前後・ブリッジ後など節目に“短く”。終端集中が王道。:contentReference[oaicite:31]{index=31}
- ON→OFFの可視化と基礎発声で、速さより安定を優先。
第3章 ケース別:走る/外す/しつこく聞こえる(その場で直す処方箋)
3-1 走る(テンポが暴走する):“往復数”と前後ノリで制御
フェイクが走ると、上下の長さ・強さ・回数が崩れて聴感上の精度が急落します。まずはテンポではなく、拍ごとの“音符数(往復数)”で管理してからテンポを上げるのが安全です。さらに、R&B/ゴスペルのグルーヴでは前ノリ/後ノリやシンコペーションの置き分けが表情を決めるため、クリックに対して意図的に位置を選べる耳と身体を作ります。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
90秒ドリル(今すぐ落ち着かせる)
- 拍=60で、1拍あたり3→2往復に一段階戻す(均等が回復するまで据え置き)。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
- クリックを2拍目と4拍目だけ鳴らし、前ノリ/後ノリを交互に試す(録音で比較)。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
- 仕上げにON→OFF(可視化→耳だけ)で再現性チェック。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
拍=60| 1拍=「タカタカ」(4つ) → まず「タカタ」(3つ) → 「タカ」(2つ) 均等が戻ったらテンポを+12 → もう一度3つ → 4つへ
3-2 外す(音がハズれる):コードトーン着地→隣接音の“安全ライン”
R&Bのフェイクは、コードトーン(1・3・5)への着地を核に、途中をスケール/隣接音でつなぐと外しにくくなります。譜面化・分類のフレームで度数を意識し、どの音が“核”かを明確にしてから歌うと再現性が跳ね上がります。:contentReference[oaicite:4]{index=4} :contentReference[oaicite:5]{index=5}
2分ドリル(外さない最短手順)
- 対象2〜4小節のコード進行をメモし、各小節の着地点を1/3/5のいずれかに決定。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
- 同じ音形で1音だけ置換(例:終端を3度に変更)→録音で和声への収まりを確認。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
- 可視化ON→OFFで、頂点のピッチと長さが安定しているか即チェック。:contentReference[oaicite:8]{index=8}
3-3 しつこく聞こえる:密度と位置を“引き算”する
フェイクの過多は、言葉の可読性と曲のダイナミクスを損ないます。終端集中・節目限定・短くが王道。サビ前後やブリッジ後などの節目に短く置く/コール&レスポンスを1回だけに抑える、といった密度管理で“わざとらしさ”を回避できます。:contentReference[oaicite:9]{index=9} :contentReference[oaicite:10]{index=10}
即効ルール(ライブ前の最終チェック)
- 1コーラスに長め1回+短め1回まで(目安)。:contentReference[oaicite:11]{index=11}
- 語尾は母音中心、子音は早置きで明瞭さを維持。:contentReference[oaicite:12]{index=12}
- コール&レスポンスは1往復で切る(多用しない)。:contentReference[oaicite:13]{index=13}
3-4 早口で溶ける/子音で崩れる:母音核→子音早置き
高速メリスマでは、母音核を揺らし、子音は前倒しで素早く処理するのが定石です。子音に力をかけるとタイミングが乱れ、走りと外しを誘発します。短い2〜4小節で母音核だけを保持→子音だけ差し替え→録音で明瞭さを比較しましょう。:contentReference[oaicite:14]{index=14}
3-5 高音・速さ・長さを同時に増やして失敗:一度に“1要素”だけ
難要素(高音・速いテンポ・長い持続)を同時に盛ると破綻しやすい—段階導入が鉄則です。中声域×遅め×短めで型を完成→テンポUP→音域UP→長さ延長、と一度に1要素だけ上げます。仕上げはON→OFFの再現性で確認。:contentReference[oaicite:15]{index=15} :contentReference[oaicite:16]{index=16}
3-6 10分の修正ワークフロー(3ケース共通)
- 2分:SOVTE(リップ/タング/ストロー)で喉の過緊張を下げる。:contentReference[oaicite:17]{index=17}
- 3分:問題の2〜4小節を抜き出し、往復数を決めて均等作り(拍=60で2→3)。:contentReference[oaicite:18]{index=18}
- 3分:コードトーン着地+1音置換で“外さない骨格”を確認。:contentReference[oaicite:19]{index=19}
- 2分:録音→ON→OFFで再現性チェック→密度を削って配置確定。:contentReference[oaicite:20]{index=20} :contentReference[oaicite:21]{index=21}
3-7 チェックリスト(毎回ここだけ見る)
- 走り:拍ごとの往復数で制御→均等が戻るまでテンポ据え置き。:contentReference[oaicite:22]{index=22}
- 外し:コードトーン着地→1音置換→録音確認。:contentReference[oaicite:23]{index=23}
- 密度:終端集中・節目限定・短く/コール&レスポンスは控えめ。:contentReference[oaicite:24]{index=24} :contentReference[oaicite:25]{index=25}
- 発声:毎回SOVTE→ミニ負荷→クールダウンで喉を守る。:contentReference[oaicite:26]{index=26}
- 再現性:短いループでON→OFF。OKなら全体へ差し戻し。
第4章 曲で使う:サビ前/ブリッジ後/アウトロの“配置テンプレ”と実装フロー
4-1 最初に“地図”を作る:曲構造×感情ラインのマッピング
R&Bのフェイクは、曲の節目(サビ前後・ブリッジ後・アウトロ)に集中配置される傾向があります。まずは歌う曲を2〜4小節単位で分割し、どこをフォーカルポイント(聴かせどころ)にするかを可視化します。フェイクは単なる装飾ではなく、場面転換や感情の高まりを“指差す”役割を持つため、構造マッピングが入れ方の設計図になります。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
4-2 サビ前(Pre-hook)の配置テンプレ:短い“加速”で扉を開ける
使う型
- ターン(隣接音装飾):1〜2拍で終えるミニ装飾。語尾を壊さず、前ノリ/後ノリで表情付け。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
- 3音ペンタ・ラン:上行または下行を短く差し込み、サビ頭の着地でビブラート。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
置き方の原則
- クリックに対して前ノリ/後ノリを意図的に選ぶ(録音比較して雰囲気が合う方を採用)。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
- 音程はコードトーン着地(1・3・5)を核に、途中をスケールで結ぶと外しにくい。:contentReference[oaicite:4]{index=4}
- 長さは1〜2拍に限定(密度を上げすぎない)。:contentReference[oaicite:5]{index=5}
4-3 ブリッジ後(Bridge→Hook)の配置テンプレ:合図→コール&レスポンス
使う型
- コール&レスポンス・フィル:本線の終端に短い合いの手。観客/コーラスとの“対話”を演出。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
- 5音スケール・ラン:勢いを付加してサビへ回帰。終端はビブラートで着地。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
置き方の原則
- 1往復だけのコール&レスポンスで切る(多用しない)。:contentReference[oaicite:8]{index=8}
- クリックを2・4拍のみ鳴らし、グルーヴに対する位置(前/後)を固定。:contentReference[oaicite:9]{index=9}
4-4 アウトロ(Outro)の配置テンプレ:ビルドアップ→長め1回で締める
使う型
- ビルドアップ:音域を段階上昇させ、クライマックスに向けて密度を少しだけ上げる。:contentReference[oaicite:10]{index=10}
- 長めのラン(1回):最後は1回だけ長めに、着地はコードトーンで安定させる。:contentReference[oaicite:11]{index=11} :contentReference[oaicite:12]{index=12}
置き方の原則
- 密度は長め1回+短め1回まで(目安)。:contentReference[oaicite:13]{index=13}
- 語尾は母音中心、子音は早置きで明瞭さを守る。:contentReference[oaicite:14]{index=14}
4-5 “外さない骨格”の作り方:コードトーン核+スケール展開
どの節目でも、まずは着地点(1・3・5)を先に決め、途中をスケールや隣接音で装飾します。これを2〜4小節で譜例化して反復→録音で和声への収まりを判断→OKテイクをテンプレとして保存し、別曲でも再利用できる“型パレット”に加えます。:contentReference[oaicite:15]{index=15} :contentReference[oaicite:16]{index=16}
4-6 実装フロー(10〜12分):抜き出し→ON→OFF→差し戻し
- 2分:対象の2〜4小節をループ化(サビ前/ブリッジ後/アウトロ)。:contentReference[oaicite:17]{index=17}
- 3分:型を1つ選び、拍=60で往復数を固定(走り防止)。前ノリ/後ノリを録音比較。:contentReference[oaicite:18]{index=18}
- 3分:コードトーン着地で外さない骨格を確認→1音だけ置換して“自分の言葉”へ。:contentReference[oaicite:19]{index=19}
- 2分:ON→OFFで再現性チェック(正誤の簡易表示で十分)。OKなら原曲へ差し戻し。:contentReference[oaicite:20]{index=20}
4-7 よくある失敗→その場で直す
- 密度過多:1コーラスに長め1回+短め1回まで。しつこく聞こえる前に引く勇気。:contentReference[oaicite:21]{index=21}
- 走る:テンポではなく往復数で管理→均等が戻るまでテンポ据え置き。:contentReference[oaicite:22]{index=22}
- 外す:着地を1/3/5に固定→途中はスケール展開→録音で和声を確認。:contentReference[oaicite:23]{index=23}
- 言葉が崩れる:母音中心/子音早置き。語尾は短く。:contentReference[oaicite:24]{index=24}
4-8 テキスト図:配置テンプレの早見表
[Sabi-Pre] ……(語尾)→ ターン or 3音ラン (1〜2拍) → |Hook|rhythm:前/後ノリを選択pitch:着地=1 or 3 or 5[Bridge→Hook] ……(終端) → フィル(1往復) → 5音ラン(短) → |Hook| density:1往復のみfinish:Vibで着地[Outro]…… 段階上昇(2ステップ) → 長めラン(1回) → 終止(着地=1/3/5) rule:長め1+短め1/語尾は母音中心
4-9 まとめ(第4章)
- フェイクは節目に集中配置してフォーカルポイントを作る。:contentReference[oaicite:25]{index=25}
- サビ前は短く加速、ブリッジ後は合図→応答、アウトロはビルド→長め1回で締める。
- 往復数で走りを制御、コードトーン着地で外さない。
- 実装は抜き出し→ON→OFF→差し戻しの短時間ループで。
Voishはどんな方にオススメできる?


・高音が出ない
・音痴をどう治したら良いか分からない
・Youtubeや本でボイトレやってみるが、正解の声を出せているか分からない