声を出さないのにのどが痛い原因とは?静音練習で声を守るボイトレ法

声を出していないのに「のどが痛い」…その違和感、放っておくと危険です

「ボイトレ中は声を出してないのに…なぜかのどが痛む」

「電車の中でリップロールをやっていただけなのに、のどがヒリヒリする」
「声を出さずに息だけでトレーニングしていたのに、違和感が残る」
――あなたも、こんな経験はありませんか?

「声を出さないボイトレ」=のどに負担がないと思っていたのに、逆にのどが痛くなる。
それは単なる筋肉痛ではなく、間違ったフォーム・過剰な力み・呼吸の癖が引き起こす、のどへの“静かなダメージ”かもしれません。

そのまま続けると、声を壊すリスクも

声を出さないからこそ、自分では気づかないうちに喉周りの緊張呼吸の圧力がのどに集中しがちです。
この状態で無理に続けると、声帯周辺に炎症が起きたり、声が出しにくくなる「発声障害」に発展する可能性もあります。

「声を出していないから大丈夫」と思い込みがちな静音トレーニング。
その誤解が、のどの違和感・痛み・声枯れの大きな原因になっているのです。

本記事では、こんな疑問に答えます

  • 声を出していないのに、なぜのどが痛くなるの?
  • 痛みの原因は何?筋肉の使い方?呼吸?
  • のどを守りながらボイトレを続けるにはどうしたらいい?

さらに、具体的な静音ボイトレの正しいやり方や、
のどに優しいフォーム・息の使い方についても詳しく解説していきます。

この記事の構成

以下のステップで、声を出さないボイトレでの「のどの痛み」問題に迫ります。

  1. なぜ「声を出さないのに痛む」のか?|よくある原因と落とし穴
  2. 静音トレーニング中の「喉への負担」チェックポイント
  3. 正しい静音ボイトレのための呼吸・姿勢・筋肉の使い方
  4. 痛みがあるときの対処法とボイトレの中止判断
  5. のどを守る習慣と、毎日の静音トレーニングメニュー

のどに違和感がある=何かが間違っているサインです。
「声を出さないから大丈夫」ではなく、「声を出さない時こそ、丁寧なケア」が必要です。

次章では、「なぜ声を出していないのに、のどが痛くなるのか?」そのメカニズムを深掘りしていきます。

なぜ声を出していないのに、のどが痛くなるのか?|よくある原因と落とし穴

「声を出していないのに痛い」は、身体からの“黄色信号”

本来、静音ボイトレは喉にやさしいはず――
にも関わらず、「ヒリヒリする」「重だるい」「つばを飲み込むと違和感がある」といった症状がある場合、それは発声以前の習慣・使い方に原因があるかもしれません。

この章では、声を出していないのにのどが痛くなる“3大原因”を中心に、思わぬ落とし穴を掘り下げていきます。

1. 過剰な呼吸圧が、のどに負担をかけている

声を出さずに息を吐くだけでも、呼気圧が高すぎると、喉奥に圧がかかって炎症や疲労につながることがあります。

特に注意すべきケース:

  • ストロー発声やリップロールで、必要以上に息を強く吐いている
  • ロングブレスを意識しすぎて、腹圧をかけすぎている
  • 呼吸のコントロールができていない状態で無理な練習をしている

これらはすべて、喉を“空気の通り道”として酷使してしまっている状態。
結果的に声帯や周囲の粘膜が乾燥しやすくなり、痛みやかすれが出やすくなります。

2. 姿勢が崩れて、喉周辺が緊張している

静音トレーニングは音が出ない分、姿勢や筋肉の使い方への意識が散漫になりがちです。
すると、無意識のうちに首や喉まわりに力が入り、違和感の原因となります。

よくあるケース:

  • スマホを見ながら猫背で口パク→喉を圧迫
  • 肩に力が入り、首の筋肉が緊張したまま呼吸
  • 顎が上がった状態でリップロールを繰り返す

これらの動作は、呼吸の流れを悪くし、共鳴腔のスペースを潰すため、結果的に喉への負担が大きくなります。

3. 舌や顎の緊張が喉の圧迫につながっている

「静かに練習しているつもり」でも、口の中の動きが固まっていると、喉にも連動して無意識の圧迫が起こります。

  • 舌を上顎に押し付けたまま発声フォームをとっている
  • 顎に力が入り、無声発声中も歯を食いしばっている
  • 舌の根元が上がって喉がせまくなっている

こうした状態は、「口は閉じてるのに喉がギュッと締まってる」という感覚につながり、のどの筋疲労や緊張痛の原因になります。

それ、筋肉痛じゃなくて炎症かもしれません

「トレーニングしたから筋肉痛かな」と思いがちな喉の痛み。
でも、1日以上続く・ヒリヒリ感がある・つばを飲み込むと痛いといった症状がある場合、筋肉痛ではなく喉頭周辺の炎症の可能性もあります。

放置すると、声枯れや慢性咽頭炎、ポリープ形成などにつながるリスクもあるため、違和感が続く場合はトレーニングを中止し、専門医への相談が必要です。

「痛み」の背景にある心理的要因にも注意

実は、緊張・焦り・不安といった感情が、喉の筋肉に強く影響することが近年の研究で明らかになっています。

「上手くやらなきゃ」「成果を出さなきゃ」と思うほど、
肩に力が入り、呼吸が浅くなり、無声トレーニングでも喉にストレスがかかるのです。

静音ボイトレは、「声を出さない=気持ちもラク」ではなく、感情と身体の緊張が表に出やすい状態でもあるため、心の状態にも意識を向けることが大切です。

次章では――喉にやさしい正しい静音ボイトレの姿勢・呼吸・フォームを解説

ここまで見てきたように、「声を出していないのに喉が痛くなる」のには、明確な原因と対処ポイントがあります。
次章では、その“間違った使い方”を正すための具体的な姿勢・呼吸・口の使い方を、初心者でもすぐ実践できる形で解説します。

喉にやさしい静音ボイトレ|正しい呼吸・姿勢・フォームの整え方

“声を出さないから安全”は幻想。だからこそ「正しい使い方」が必要

静音ボイトレは、喉に優しいトレーニング法として人気があります。
しかし、正しい姿勢・呼吸・フォームを身につけていなければ、むしろ喉を傷める原因になることもあるのです。

この章では、喉を守りながら最大限の効果を引き出すための静音トレーニングの基本を、シンプルかつ実践的に解説します。

1. 喉にやさしい「呼吸」のポイント

① ペース呼吸を整える

腹式呼吸をベースに、次のようなリズムで呼吸を整えると、息の流れが安定し、喉への圧迫が避けられます

  • 4秒吸う → 2秒キープ → 6秒かけて吐く

この「4-2-6」のリズムは、副交感神経を優位にし、喉まわりの緊張をゆるめる効果もあります。

② 吐く息は“ろうそくの火をゆらす”くらいで

特にリップロールやストロー発声では、強すぎる息=喉への負担になります。
理想は、「遠くのろうそくを揺らす程度の細く安定した息」。

このイメージで吐くことができれば、声を出さずとも呼気圧と声帯のバランスが整い、喉を痛めるリスクが激減します。

2. 喉を守る「姿勢」の整え方

① 立って行う場合:重力に逆らわずに立つ

  • 足を肩幅に開く
  • 膝は軽くゆるめる
  • 骨盤は立てる(反り腰NG)
  • 背中は軽くS字カーブを意識
  • 頭は天井から糸で吊るされるように

この姿勢をとることで、呼吸が深まり、喉まわりに余計な力が入らなくなります

② 座って行う場合:骨盤を立て、背もたれに寄りかからない

  • 椅子の浅めに座る
  • 骨盤を前傾ぎみに立てる
  • 腰から頭まで一直線にする

スマホを見ながら行う口パク練習などで猫背になると、喉を締め付けるフォームになりがちなので要注意です。

3. 喉に優しい「発声フォーム」と舌・口の使い方

① 母音の口パク練習は、“広く、自然に”が基本

口を大きく動かす練習は効果的ですが、力みすぎたり、極端な開き方をすると逆効果です。
それぞれの母音ごとに、喉が開く自然なフォームを心がけましょう。

  • 「あ」:口を縦にゆるく開く(喉の奥を広げるイメージ)
  • 「い」:口角を少し横に、顎に力を入れない
  • 「う」:唇を軽くすぼめて、舌の奥をゆるめる
  • 「え」:口内を奥に広げるように
  • 「お」:上下の奥歯を少し離し、喉の奥を縦にひらく

② 舌は「浮かせる」「脱力する」が基本

舌が上顎や下顎に密着していると、喉の動きが制限され、締めつけにつながります。
理想は、舌の先端が軽く前歯の裏に触れている程度で、舌全体は床に“浮いている”ような感覚です。

③ 顎と肩を「脱力」させる準備をする

無声の練習では、声の感覚がわからないぶん、喉以外に余計な力が入りやすいものです。
特に顎と肩に緊張が入りやすいため、以下の方法で意図的に脱力しましょう。

  • 1回大きくあくびをする
  • 両肩を上げてストンと落とす動きを3回
  • 顎を軽く前後に動かしてリセット

正しいフォームのセルフチェック法

● 鏡の前で母音練習をしてみる

口や顎、喉まわりに力が入っていないか?を目視でチェック。
力が抜けていると、口元・喉元が柔らかく動き、目線も安定します。

● 録音せずにスマホ動画を撮ってみる

静音ボイトレでは録音ができませんが、無音の動画で口や顔の緊張を可視化できます。
特に「目や眉間に力が入っていないか」「喉がピクピク動きすぎていないか」をチェックしましょう。

次章では――喉が痛い時の対処と、トレーニング中止の判断基準を解説

ここまでで、喉を傷めずに静音ボイトレを行うための基本的な姿勢とフォームが理解できたはずです。
次章では、もし痛みが出てしまった場合の対処法と、無理をせずトレーニングを中断するべきタイミングについて解説します。

喉が痛い時の正しい対処法とトレーニング中止の判断基準

「まだやれる」は危険。痛みを感じたら、まず立ち止まろう

静音ボイトレ中に喉の違和感を覚えたとき、
「少し痛いけど我慢すれば大丈夫」「これも成長痛の一部かも」
そんなふうに無理して続けてしまうのは非常に危険です。

喉は非常に繊細な器官。筋肉・粘膜・神経が複雑に連動して発声を支えています。
だからこそ、わずかな違和感にも早めに対応することが、パフォーマンスの維持と声の健康に直結します。

まずは「痛みの種類」を見極める

喉の痛みには、大きく分けて以下のような種類があります。

① ヒリヒリ・焼けるような痛み

  • 乾燥による粘膜の摩擦
  • 過呼吸や強い息による炎症

→ この場合は即時中断+保湿・休息が最優先です。

② 重だるさ・ひっかかり感

  • 筋肉の使いすぎ
  • 舌・顎・首の緊張

→ 一旦練習を止めて、舌・肩・喉周辺を軽くストレッチしましょう。

③ つばを飲み込むとしみる・痛い

  • 咽頭・喉頭粘膜の炎症
  • 感染症の可能性もあり

トレーニングは即中止し、状態が改善しない場合は耳鼻咽喉科へ。

痛みを感じたときにやるべきこと

① トレーニングをやめて深呼吸

まずは声も息も止めて、一度リセット
鼻からゆっくり吸って、口からやさしく吐く呼吸を数回繰り返しましょう。

② 首・肩・舌をストレッチ

  • 肩を上げてストンと落とす
  • 首を左右にやさしく倒す
  • 舌を上・下・左右に動かす

この時点で違和感がやわらぐ場合は、筋緊張性の痛みである可能性が高いです。

③ 保湿と水分補給を徹底

のどの乾燥は痛みの原因になります。
常温の水をこまめに摂る、マスクをする、湿度を保つなど、粘膜を潤す工夫をしましょう。

トレーニングを中止すべき判断基準

以下のような状態が見られたら、その日のボイトレは中止してください。

  • 1時間以上痛みが引かない
  • 声を出していないのに、話すのもつらい
  • 翌日になっても痛みが残る
  • 発熱や倦怠感を伴う

これらは喉の炎症や器質的な異常のサインである可能性があります。
「軽い痛みだから大丈夫」と自己判断せず、一度リセットする勇気が声を守ります。

痛みが引いた後に再開する場合の注意

① フルメニューに戻さない

再開初日は呼吸練習+簡単な口パク練習程度に抑えましょう。
1~2日間の軽め調整期間を設けることで、再発を防げます

② 痛みの原因を見直す

フォーム・呼吸・姿勢のどこかに原因があった可能性が高いため、
録画や鏡を使って練習中の自分の動きを客観的にチェックするのが有効です。

③ 無理な練習の積み重ねをやめる

「昨日できたから今日もできるだろう」は喉にとっては危険な思考です。
“回復の波に合わせて調整する”という考え方を取り入れてください。

まとめ:喉の違和感は、身体からの重要なメッセージ

声を出さなくても、喉を痛めることはあります。
だからこそ、“違和感を放置しない”という意識が、あなたの声を守る最大の防御策になります。

次章では、喉を守りながら静音ボイトレを日常的に続けるためのルーティンと習慣化のコツをご紹介します。

喉を守る静音ボイトレ習慣|無理なく続ける毎日のルーティン

喉を傷めずに続ける。そのカギは「習慣」と「仕組み化」

静音ボイトレは、喉への負担が少ない分、毎日無理なく取り組めるトレーニング法です。
しかし、間違った方法で続ければ逆効果にもなり得るため、“守る習慣”と“整える仕組み”が欠かせません。

この章では、喉の健康を守りながら継続できる、静音ボイトレのルーティン構築方法をご紹介します。

1日10分以内でできる「喉ケア+静音トレーニング」モデル

朝|リセットと準備(3分)

  • ペース呼吸(1分)…深い息で身体と喉を起こす
  • 首・肩・舌のストレッチ(1分)…緊張を取る
  • 母音の口パク(1分)…共鳴腔の意識づけ

昼|外出先での“ながら静音”トレ(3〜5分)

  • スマホ画面での口パク+表情トレ
  • 歩行ペースに合わせた呼吸練習
  • 無声ハミングや舌ストレッチ

夜|振り返り+回復モード(3分)

  • 呼吸+あくび発声で副交感神経ON
  • 喉を開いたまま、口を閉じて軽く「ん〜」のポジション確認
  • 水分補給&加湿のチェック

このルーティンを無理なく習慣化するだけで、喉に負担をかけずに声の土台が安定します。

継続できる人が実践している5つの工夫

① トリガー式で生活に組み込む

「起きたら呼吸」「電車に乗ったらハミング」など、すでにある習慣にくっつけると、自然に続けやすくなります。

② 「1分だけOKルール」を設定

やる気が出ない日は、「とりあえず1分だけ」でもOK。
ゼロにしないことが、習慣を切らさない最大のポイントです。

③ 体調と声の記録をメモする

  • 喉の調子
  • やった練習内容
  • 痛み・違和感の有無

週単位で見返すと、自分に合ったペースや効果的な方法がわかってきます。

④ 鏡やスマホ動画でフォーム確認

特に無声練習はフォームが崩れやすいため、自己観察ツールとして活用するのが有効です。

⑤ 声を出す練習と組み合わせてバランスを取る

静音だけで完結する必要はありません。
週1〜2回だけでも軽い発声トレーニングと組み合わせることで、喉とフォームのバランスがより整います。

喉を守るための“3つの守り”を習慣に

① 無理しない

違和感を感じたら即中止。「我慢しない」が基本。

② 湿度・水分を保つ

湿度40%以下では喉の粘膜が傷みやすいため、加湿器+水分補給は習慣に。

③ 喉以外の部位を“意識的に”使う

呼吸・姿勢・舌・口元を丁寧に使い、喉への集中負荷を避けるのがポイントです。

まとめ:静かに、確実に、喉を守りながら声を育てる

「声を出さないから安全」と油断せず、喉の使い方・身体の状態・心の余裕を大切にしながら継続する。
これが、喉を守るボイトレ習慣の基本です。

今日から始められる1分のケアでも、喉の負担を減らし、声のコンディションを整える第一歩になります。

“痛めずに、伸ばす”静音ボイトレ。
あなたの声は、静かに、確実に育ち続けていきます。

 

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